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2008年02月18日

♠さかさまなふたり
「さてと、これからちょっと空を飛ぶぞ」
「なんで?」
そばで見たいと思っても、レネがいうには『ひと』がたくさんいるところでは、天使と悪魔が一緒に行動してるのを見られると、いろいろと『やっかい』なことになるようです。
やっかいという言葉をロニはよく知りませんが、レネの顔を見ていると大変なことになりそうな気がしました。
ふわふわと手をつないで飛んでいると、町にはたくさんのひと、ひと、ひと…
おおきいひと、ちいさいひと、細長いひと、まるい人…
空の上から見ていても、町の様子はよく見えました。

「レネ、あれはなに?」
「ねえねえ、これはなに?
「ねえ、ねえ」

「うるさい、お前は少し黙ってろ」
目に映るもの全てが目新しく見えるロニの質問攻めにレネはちょっと疲れ気味のようです。
しばらく飛んでいると、なにやらおなかが幸せな気分になりそうなにおいがしてきました。
「お、うまそうなパン屋だ」
「パン?」
「まるいやつやしかくいやつ、甘いのからお肉がはいってるのが色々ある食べ物さ」
「それを食べたらおなかがくぅくぅするのがなおるの?」
「ああ、治るぜ!ちょっとあの物陰におりよう」
レネについていって降りてみると、たくさんの幸せになりそうなにおいがしてきています。
そのにおいをかぐと、もっとおなかがくぅくぅとなりました。
「おっし、ちょっといってくらぁ」
「うにゅ?」
「ロニはここで待ってろ」
「うん」
レネがたくさんの人がいるところに向かっていきました。

しばらくしてレネが戻ってくると、まるくておおきい茶色のものを両手に持ってきていました。
「これがパンだ」
「ふかふかでいいにおい…これがパン?」
「ああ。うまいぞぉ」
「うん」
おなかはくぅくぅいうけれど、ロニにはそのパンが珍しくて、もう少し見ていたいと思って眺めていました。
すると…

「誰だあ!うちのパンを盗んだやつは!」

ざわざわといっている町の声が、一瞬にして静かになりました。
「やっべ…バレるの早かったな…」
「なんか…あの声…ピリピリ痛い…」
ロニは自分の手に持っているパンをみて思いました。
あのパン屋さんがピリピリと痛い声を出しているのは、このパンのせいなのかな?
そう思うと、ロニの胸の辺りにずーんと重いものがたくさんきて、ぐるぐるし始めました。
いてもたってもいられないロニは、パン屋さんのところに走っていきました。

「ねえ、これ」
「ん?わあ!悪魔だ!」
「レネがもってきたの」
「悪魔だ!悪魔がパンを盗んだんだ!」
「ちがうよ、レネがもってきてくれたの。ロニのおなかがくぅくぅ…」
「この悪魔め!おしおきしてやるぞ!」
そういうと、パン屋さんは長い棒のようなものを持ってきて、ロニを叩こうとしました。
「おいこら、おっさん」
「え?天使?
「レネー!」
「俺のツレになにしてんだよ」
「え?え?」
「ったく…お前…だからあんまり人間の前には出たくなかったんだんだよ…」
レネはすごくめんどくさそうな顔をしていました。
さっき言っていた『やっかいなこと』というのは、こういうことのことを言っていたのかも?
「お前んとこのパンを盗んだのは、お・れ!で、こいつはお前の怒鳴り声を聞いて返しにきた。わかるか?」
「天使が盗んで…悪魔が返しに?ん?」
パン屋さんを含め周りにいたみんなが首をかしげています。
普通なら悪魔が悪さをして天使がいいことをするはずなのに、なのに今はそのまったく逆なのですから、すごく不思議に思えてしまうのです。
「盗んだ一個は俺が食っちまったけどな、わっはっはっは。でもこいつは食ってないぜ」
「…面白い組み合わせだね」
声がした方を見てみると、金色のうねった髪をひとつに束ねて、綺麗な格好をしている男の人が立っていました。
その人を見るなり、周りにいた人やパン屋さんまで、跪いて頭を下げました。
「これはこれは王子様…ご機嫌麗しく存じます…」
「まあまあ、気にしないでくれ。それにしても君たち、面白いふたりだね」
「うるせぇ。俺は何にも知らないこいつを教育してるんだ」
「うにゅ~?」
「教育するとしても、天使の君が悪いことをして、悪魔の子がそのパンを返しにきたじゃあないか」
「う…それはロニがおっさんの声にびびってだな…」
「まあいい。今日はぼくが君たちのパンのお金を払おうじゃないか。パン屋さんだって一生懸命働いてお金をもらっている。それなのにそのパンを盗んでしまうことは、彼らだって困ってしまうじゃないか」
「んなもんしるか!」
「…ふにゅう。レネ、そういうこというのダメなのぉ…」
王子様はそのやり取りを見てまた笑いました。レジのところに金貨を置いて、自分の分もパンも買いました。
「君たち、これからいくところはあるのかい?ないのだったら、ぼくの城にくるといい」
「しろ?」
「こういうえらい人間が住んでる家だ。もしかしたらここより面白い場所がたくさんあるかもしれない…」
「ふにぃ…そうなの?」
「おう。…てことで、連れてってくれ」
「本当に面白いね、君たちは。それじゃあ、ついてきてくれないかな?」
王子様に招待されて、レネとロニはお城へと向かいました。
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