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2007年09月

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2007年09月14日

♠ものしりレネ
「おい、おまえ。なんで俺についてくるんだよ」
「あう…」
ロニは困った顔をして、レネの後ろをもじもじとしています。
生まれてまもなく地上に飛び出したのですから、レネについていけばいろいろなことがわかると思ったのです。

「んじゃあ、さきにある街までついてこいよ」
「まち?まちってなあに?」
「んー、なんつーか、弱い人間どもが群れを作って住んでるとこだな」
「にんげん?にんげんってなあに?あ、レネ!あれ、なあに?これは?」
「あー、もう!うるさいっ!!お前は黙って俺について来い!」

レネはロニの手をつかむと、背中の羽をはばたかせて、街まで飛ぶことにしました。
飛ぶことも初めてなロニも、そのうち自分の羽をパタパタと動かして飛ぶことに慣れていきました。
ただ・・・
「さあ、そろそろ着くぞ…羽うごかすの、そろそろやめろ」
「う…ん?」
「お、おい!やめろって!このままじゃ、あの花壇に…わあああ!」

どすん!

大きな音を立ててふたりは花壇に落ちてしまいました。
腕やおしりがひりひりして、よく見るとレネの腕から何かがでています。

「いってぇ…あ、血だよ…」
「ち?」
「ん?俺たち天使や悪魔、動物や人間の体に流れてるモンだ」
「その、レネから出てる赤いの?」
「ああ。ほら、お前からも出てるぞ?…緑色の・・・??」
「あ、なんか…血が出てるとこがチクチクしてひりひりしてるの…」

チクチク、ひりひり、それがひっきりなしに襲ってきて、ロニの目からポロポロと涙がこぼれています。
レネはロニにそれが痛みというもので、神様が全ての生き物に与えたものだということを教えました。

「しゃあねぇなあ…。おい、腕出せ」
「うぅ…」
「チクチクひりひり治してやるから」
「うん…」

これでも天使だからなと笑いながらロニに手をかざすと、ロニの傷はあっというまに治ってしまいました。
なんでも、天使には「ちゆ」の力があって、それは天使や一部の人間が使える能力で、傷や簡単な病気はすぐに治ってしまうそうなのですが、ロニには難しくてよく分かりませんでした。
「花壇の花も元に戻そう。それで隠ぺい工作完了だ」
「インペーコーサク?」

自分の知らないことをたくさん知っているレネをみて、ロニは目を輝かせています。その表情にレネもまんざらでもなさそうです。
むしろ自分がすごく偉くなった気分になって、まるで下に兄弟の出来た子どものようです。
でもちょっとロニの様子が変です。
「ねえねえ」
「どうした?」
「チクチクはなくなったんだけど・・・
 ロニのおなか、へんなの」
「はあ?」
「おなかがくぅくぅしてるの…」
「くぅくぅ?」

ぐきゅるるる~

「ああ…腹へったってことか」
「ハラヘッタ?」
「その『おなかがくぅくぅ』してるのは、腹の中に食べ物が入ってないからだ。腹がへると力が入らないんだぞ」
「そうなんだ…でも、食べ物って」
「『なあに?』だろ?」
「…うん」
「んじゃあ、ついて来い」
「うん」
レネの後を追いながら、ロニはざわざわと声がする方向へと歩いていきました。
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